決め手は『きちんと感』

人の輪の中に入る時に、すぐに溶け込める方と
そうではない方とに分かれます。
この差はどうやら『きちんと感』に依るもののようです。

すぐに溶け込める方は全てにおいてきちんとされておられます。
・身なり
・言葉遣い
・所作
・タイムスケジュール
・金銭管理
・文章作成

きちんと感が周りのひとを安心させるのです。
『この方に任せれば大丈夫』
そして実際のところ印象の通りなので、ますます信頼を得ていかれます。

そして感心するもう一つの長所がこちら
・自然体である

無理に溶け込もうとせず、人の輪に割って入ることはありません。
わざわざ割って行かなくとも周りから寄ってくる魅力をお持ちです。

だからと言って…
溶け込むのに時間が掛かる人が悪いわけではありません。
誠実な人格は徐々に相手に伝わります。
ゆっくりでも確実に周りの理解を得ていき、大事な仲間となります。

ですが魅力の原石は光ることを望んでいます。
今すぐにでも。

お稽古では『きちんと感』を身につけていただきたく、言動に注意を申し上げることがあります。

お稽古の場で『うん』とお返事されていた生徒さまがいらっしゃいました。
『うん、じゃない。お返事は《はい》です』
完全に直るまで何回でも言いました。

『え゛⁉️』
間違っているところを指摘するたびにこのように反応する生徒さまにも注意します。
『え゛って言わない。私たちは大人なんです』
まだ時々におっしゃいますが、以前に比べれば大分減りました。

『すいませーん。教えてくださーい。』
水屋から大きな声で手助けを求める声を出す生徒さまには
『ご自身からお相手に静かに近づいて、《お願いします》と頭を下げましょう』
と言葉を掛けました。

どの生徒さまも注意を申し上げれば素直に頷いて行動を改めてくださいます。
そして、きちんと感が身につくのと比例するように、輪の中に溶け込んでいかれます。

多様性が叫ばれて久しい昨今。
しかし、なんでもアリとは違います。
特に大人の文化である茶道は、お互いの礼節の上に成り立つことを理解しましょう。

2024年05月20日